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on 10-June-22
思わず手を伸ばして触れたくなるような、ふわりとしたソフトな印象の「Everyday」。作家のエマ・レイシーは土のテクスチャーを指先で感じながら、暮らしに溶け込む優しい日常の器を作り上げています。
中央にエクボのように見える小さな凹みがついた花器「Everyday」。この愛らしい器を手がけたのが、ロンドンに工房を構えるデザイナーのエマ・レイシーです。
「暮らしの道具をデザインする上で、機能性と使い勝手を考えるのは基本ですが、陶器の場合、その形や質感を意識することも大切です。 Everydayのチャームポイントとも言えるボディ中央の凹みは、柔らかくて、形を自由に変える粘土の個性を物語ったもの。モノに触れたときの感覚とディテールの作り込みは大事に守りつつ、 素材の魅力を素直に伝えたい。そんな思いを器の形や釉薬の表情に写し取り、見た瞬間にふと触れてみたくなるような存在を目指しています」
実際に器を手に取って中を覗き込むと、内側の壁にろくろを回しながら指先で土を挽いた痕跡が幾重もの筋になって見えます。これは、作品が一つひとつ丁寧に手づくりされている証拠。 Everydayをはじめ、ほとんどの作品を手まわしろくろで仕上げていくエマ・レイシーは、ハンドメイドによるものづくりは、人の心を動かす力があると信じているのです。
エマ・レイシーがはじめて土に触れたのは、子供時代に、近所の文化施設で粘土あそびをしたのがきっかけでした。 高校に入ると夜間の陶芸教室に通い、その後ミドルセックス(現ホーンジー芸術大学)のアート・ファンデーションコースから大学へと進学。 自分が没頭できて、得意とするものづくりで道を切り開いていくことができると知り、プロとしての意識が芽生えたとか。そんな経験をもとに、 現在では彼女自身が教える立場となり、ロンドンの名門美術大学、セントラル・セント・マーチンズで2年生を担当しています。
Everydayの原型となっているのは、日常的に写真やデッサンで表現してきた人体の豊かなボディラインやそこに現れる陰影。 そこに、素材と機能の明快さを追求したモダニズムや北欧デザインのエッセンスを加えていくことで、決して廃れることのない普遍的なものの価値を見出していきます。
「さまざまなものから影響を受けましたが、亡き父の存在は大きかったですね。 アーティストになりたいという夢を実現できなかった父は、私がまだ小さかった頃に一緒に絵を描きながら、いつも応援してくれていました。 創作のプロセスで行う実験や取り組みなかで、素材が直接語りかけてくるものから想像を広げていくこともありますし、 シンプルな青磁、特に安田武さん(イギリス在住の日本人陶芸家)の作品から学ぶところは大きいですね」
いまでは彼女の代表作となった「Everyday」は、これまでにマグやエスプレッソカップ、ボウルなど、さまざまなシリーズが登場しました。 ザ・コンランショップでも2010年からいち早く紹介を始め、日本でも2016年に初めてマグカップを販売。現在はフラワーベースを展開しています。
長年培ってきたエマ・レイシーとの関係を記念し、ザ・コンランショップではペールトーンの限定色を紹介。 サイズもさまざまに揃うので、複数をミックスしながら丸テーブルの中心を飾ったり、ダイニングやコンソールの上に横並びにしてもバランスが整います。 グリーンを合わせるならば、柄や大きさにバリエーションのあるギボウシの葉でリズムをつけてみるのも良いかもしれません。
翻訳・編集:猪飼尚司
*直接水を注ぐ場合は、中にガラスのコップなどをいれてお使いください。
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on 10-June-22
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