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on 11-July-22
20世紀の家具デザインの象徴的存在でもあるパントンチェアが、新たな表情を湛える「パントンチェア・デュオ」としてザ・コンランショップに帰ってきました。このパントンチェア・デュオは、デンマークの建築家でデザイナーのヴァーナー・パントンの偉業を世界的に讃えるために、ヴィトラとパントンの家族が協働し、生まれたものです。
ここでもう一度、パントンチェアのデザインの魅力と、新シリーズ登場の経緯について振り返ってみましょう。
S字形をしたパントンチェアは、デンマーク語では「Pantonstolen(パントンストールン)」と呼ばれ、何年もの年月をかけ試作を繰り返した結果、1959年に誕生しました。特徴的な色やフォルム、オリジナリティ溢れる発想力など、才気に溢れるヴァーナー・パントンは、アルネ・ヤコブセンに師事した後、1955年に自身の建築&デザイン事務所を設立します。
単一素材でスタッキング可能なカンチレバーの椅子が作りたいと考えていたパントンは、20世紀デザインの名匠、 ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエも考案していたこのアイデアをプラスチックの一体成型として世界で初めて実現。華やかさが際立つデザインですが、整然と積み上げたプラスチックバケツのような、ありふれた日常の風景からインスピレーションを得たものなのです。
1960年代に入ると、製品化を目指し、パントンはヴィトラ創業者のウィリー・フェルバウムと手を組みます。後に「Free Swinger(フリー・スィンガー)」とも呼ばれる、この脚のない椅子を効率的に生産するために、2人はたゆまずに研究を重ね、最終的にはヴィトラが製造を担当し、ハーマン・ミラーが販売という形でスタートラインに立ちました。その後も、より耐久性の高い素材に辿り着こうと、何年にもわたり改良は重ねられました。
波打つ動きを静止画で捉えたような、ほかに類を見ない美しい形。パントンチェアの曲線美はすぐさま脚光を浴びる存在となり、同時に未来派という新しい潮流の到来を伝える証となりました。
さらに、ポップカルチャーのアイコンとして、イリギス版のヴォーグで裸のケイト・モスとともに紹介されるなど、ザ・コンランショップでも雑誌の撮影用に貸し出し依頼がもっとも多い椅子といえるかもしれません。受賞歴も多数あるパントンチェアは、ニューヨークのMoMA、ロンドンのデザインミュージアムなど、世界の著名美術館で永久展示されています。
ヴィトラはパントンファミリーと協力のもと、いまの時代にふさわしい新しい感覚のパントンチェアをつくろうと、従来にはないカラーコントラストの5つの新色を発表しました。新鮮な表情を湛えていますが、製法はこれまでのパントンチェアと全く同じ。ポリウレタン製ボディに施されたカラーを光沢のあるラッカーでさらに際立たせています。
グリーン、ブルー、パープル、ピンク、レッド、オレンジの色合いは、鮮やかな虹を彷彿とさせ、バイカラーで配色したことで椅子の特徴的な形が際立っています。色の組み合わせは、ヴァーナー・パントンが1970年にドイツ・ケルンの展覧会、Visiona2内で発表した伝説のインスターレション「Fantasy Landscape」をイメージしたもので、各色ともに数量限定です。
ザ・コンランショップでは、特別にパントンチェア・デュオを50脚販売。デザイン史に刻まれた逸品、パントンチェアの全コレクションをこちらからご覧いただき、お好きなものをお選びください。
翻訳・編集:猪飼尚司
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11-July-22
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