Icons at The Conran Shop: PH 5

ポール・ヘニングセンがデザインしたPH 5は、誕生以来60年以上にわたり世界中で愛され続けているアイコニックなペンダントライトです。 眩しさのない心地よい光でインテリアや食卓を彩るだけではなく、周りを囲む人々を引き立てる特性も持っています。食卓に最適な照明として高く評価されている理由は、その美しさと機能性にあります。

消費者のニーズを見据えたデザイン

「光の巨匠」として知られるポール・ヘニングセンは1958年にPH 5を開発し照明デザインに新たな一歩を刻みました。 当時、電球メーカーは白熱電球の形状やサイズを絶えず変更していました。その事対しヘニングセンは、電球メーカーが消費者のニーズを忘れつつあること批判し問題解決のために 「どんな光源でも使用できるPHランプをデザインする」と宣言し、実際に様々な光源に対応可能なデザインを実現しました。当時PH 5が、照明の設置方法や使用する光源に関係なく、 100%グレア・フリーであるPHライトの代名詞になるとは、誰も思いもよりませんでした。PH5の名称はポール・ヘニングセンのイニシャルとシェードのメインのサイズ(直径50cm)からつけられました。

演色性の向上

ヘニングセンは、PH 5で使用する電球の光の演色性の向上にも取り組みました。 彼は、光のスペクトルのうち目の感度が最も低くなる赤色と青色の光を補完し、目の感度が最も高い黄から緑にかけての光を抑えるため、赤色と青色の小さなシェードを加えました。 これにより、視覚的に心地よい光が実現しました。現代の光源技術の進化により、現在はこの調整が必要なくなりましたが、PH 5はそのデザインを維持しつつ、最新の光源に対応した進化を続けています。

Miniサイズの誕生

2017年には、ヘニングセンの精神を引き継いでPH 5 Miniが誕生しました。 直径30センチのトップ・シェードをもつPH 5 Miniは現代的なライフルタイルにフィットした提案をするために発売され、小さな空間やPH 5とのクリエイティブな組み合わせに最適な照明となりました。

60年以上愛される理由

PH5は発売以来、世界中で愛され続けています。ヘニングセンの3枚シェードシステムに基づくこのランプは、大部分の光を下方に向けることで、柔らかく、眩しさのない光を生み出します。 その心地よい光は、食卓を囲む人々やテーブルに並べられた食事を明るく照らし、心温まる空間を演出します。また、光は側面へ放たれるため、器具自体も美しく照らされ、インテリアとしての存在感を引き立てます。 アートのように洗練されたデザインのPH5は、モダンからクラシックまでさまざまなインテリアスタイルに調和し、リビングやキッチン、さらには寝室や子供部屋でも重宝されています。

ポール・ヘニングセンのPH 5は、ただの照明器具ではなく、デザインと技術の融合を象徴する存在です。 彼のビジョンは、光が持つ美しさと機能性を両立させ、人々の生活を豊かにするものでした。この理念は、現在も多くの人々に受け入れられ、照明デザインの歴史に名を刻んでいます。

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• Poul Henningsen

  コペンハーゲン生まれ。フレデリクスベアのテクニカル・スクール、コペンハーゲンのテクニカル・カレッジで学ぶ。
  伝統的な機能主義建築をキャリアのスタートとした後、照明分野に興味が移っていった。また、活動領域は文筆活動にも広がり、ジャーナリスト、作家としても活躍。第二次大戦初期、コペンハーゲンのティヴォリ公園の主任アーキテクトを勤めた。
  ルイスポールセン社とのコラボレーションは1925年に始まり、1967年に亡くなるまで続いた。ポール・へニングセンがパイオニアとして切り開いてきた照明分野の業績 － 影と光、グレア、光による色の再現、そしてそれら光の特性を人間の福利に結びつくように利用すること － は、いまもルイスポールセン社が実践するライティング・セオリーの基礎となっている。